更年期、みんなで話すと辛くない
3月はお別れの季節。アイルランドの会社ではそもそも人事異動などないのだが、転職、産休等で数人がほぼ同時期に職場から去ることになった。
そのうちの一人の送別会が今週あった。場所はダブリンの新しいカクテルバーで、夜が更けるとDJが出てきてクラブと化すらしい。5時半過ぎに着いたときはまだ閑散としていたが、6時を回るとだんだんと店内の音楽のボリュームが上がり、我々のいる個室でも自分のすぐ近くの人としかまともに話ができなくなった。
私の隣りにいたのは同年代の女性2人。それぞれ別の部署で働いているし、ひとりは週の半分は在宅勤務だったりして、普段きちんと話すことは少ない。しばらく次の旅行先などについて話してから、「で、最近(本当に)どう? So, how ARE you?」と探ると、ひとりが「睡眠がうまく取れてないんだよね」とため息を吐いた。
「午前3時半になると目が覚めちゃう。で、あ~このまま眠れないでいたらあとで一日辛くなる、と思ってベッドで二転三転する。」
ホルモン補充療法(HRT)を始めて少しはよくなったそうだが、それでもまだ辛い日があると言う。
私も似たような悩みがあるので、「わかるわ〜」とうなずく。
もう一人も「何年か前に GP(General Practitioner かかりつけ医)に行ったときにね」と話し出す。「更年期障害について聞いたのよ。そしたら、何か症状がありますかって聞かれたんで、今は特にないって言ったら、症状が出てから来てください、だって。いや、予防したいから今聞いてるんだっていうのにね。」
私は『Wellness Warrior』というコミュニティのことを2人に伝えた。ダブリン在住のキャサリン・オキーフという女性が、更年期障害で悩む人たちのコミュニティを作り、いろいろな情報を発信、共有しているのだ。ウェブサイトに登録すると彼女から定期的にメッセージが届き、読んでいるだけで励みになることも多い。
それからしばらく更年期障害の話題で盛り上がった。話したあとは3人とも「医者に相談するより何倍も気が楽になった」とすっきりした顔に。症状も程度も千差万別だが、悩んでいるのは自分ひとりだけではないとわかって同情し合えるのがいい。いやー、いい送別会(?)だった。
日本でも先日マスクの着用が任意になったと聞いた。花粉症の人も多いから、しばらくはマスクをするのが主流だろうなと思う。でも、ウェブ画面上ではなく顔を突き合わせて、マスクもなしでちゃんと雑談するのは大切ですね。