合いびき肉がダブリンのスーパーに登場!
2月になっても風が強い日などはまだ寒く、昼休みに外に出た同僚らが「Nippy!」(ニピー:つんとして寒い様子)と肩を震わせて戻ってくる。
日本も「大寒」から「立春」に季節が移り変わっているように、アイルランドでも暖かい日差しの中に春が感じられるようになった。一日ごとに日が長くなっているので、仕事が終わる5時半でもまだ明るさが残っているのが嬉しい。
家の近くのバス停横の野原には、春を告げる黄色いクロッカスでいっぱい。目つきの悪いカモメが集団でうろついていたので、近寄らないように…。
翌日にはもうこんなに花が開いていた。黄色に混じって青紫の色も点々と。
暖かくなってくると外出もしやすいので、「今日はどこで食べようかな」とふらふら出かけがちなのだが、1月のパリ旅行のときから外食が多いので、お財布のひもを引き締めなければならない。
料理好きの夫はこれまでも、煮込み料理やパイなどのオーブンを使った料理をよく作ってくれた。私が3年ほど前に両腕を痛めてからは、料理をほとんど一手に引き受けてくれている。
私が日本風の炒め物や煮物が食べたいときは、以前は夫のそばについて手順を説明していた。しばらくすると私の出番は調味料を入れるときくらいになった。「しょうゆ、酒、みりんを適量入れて味を調える」といった「適当さ」加減が彼にはわからなかったからだ。しかし今ではすっかり要領を覚え、フライパン料理、鍋料理のレパートリーを増やしてくれた。
アイルランドのスーパーでは、日本では必ず見るような肉類が売っていないことが多いので、手に入る肉で代用して日本食を作っている。アイルランドに住む日本人なら同じようにしているのでは。
- 牛薄切り肉や豚バラ薄切り肉、こま切れ肉が売っていない → Rashers あるいは Irish bacon と呼ばれる豚肉(豚ロース肉)の薄切りで代用。日本では豚カツなどに使う部位で、脂身が少ないので肉じゃがなどをこの肉で作ると日本で作る味とはちょっと違う。
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鶏もも肉が骨付き、皮付きで売られている。 → 肉屋に頼めば骨を取り除いてくれるが、面倒なので(肉屋に頼むのも家でするのも)、鶏むね肉を使う。
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牛と豚の合いびき肉が売っていない → 牛ひき肉なら「脂身が何パーセント」と何段階もの種類があるのでなるべく脂身の多いものを使用(写真左が脂身5パーセント、右が10パーセント)。あるいは豚ひき肉で代用。
去年初めて行きつけのスーパーで「牛肉と豚肉の合いびき肉」を見たときは小躍りした。それが何と、ほかの肉や魚の切り身パックとミックスして「3パックで10ユーロ」コーナーに並んでいることも。これは一大事。
牛豚合いびき肉(写真手前右)と並んで、皮のない鶏もも肉(手前左)もお買い得コーナーに。でもこの鶏もも肉、骨付きなので、親子丼が食べたければ骨を取り除かなければなりません。
さっそく夫に、合いびき肉を使った「ハンバーグ」をリクエスト。コウケンテツさんの肉汁たっぷりのハンバーグレシピを参考にしてもらった。
合いびき肉で作ったハンバーグ。つけ合わせは冷凍のグリーンピース。ブロッコリーがあったんだけどなあ。
トリニティ大学の近くにある Tesco スーパーにこんな誤字の表示があり、夫が笑っていた。「家禽類(鶏や七面鳥など、飼育されている鳥)」の綴りは Poultry が正解。R が抜けている。
もう回鍋肉も麻婆豆腐もスパゲティミートソースも、合いびき肉で食べられるようになったということだ。これは日本人的には本当に画期的なことなんですよ。