ヨーロッパ各地で熱波 heat wave が猛威を振るっている。今週末と来週初めが暑さのピークだという。

おとなりイギリスでは史上初の40度を記録する確率が高く(過去最高気温は38.7度)、英気象庁は緊急非常事態を宣言。6月から猛暑が続くスペインやフランス、ポルトガルなどでは、熱中症や水難事故で多数の死者が出ているし、山火事も頻発している。

アイルランドでもここ数日、気温が上昇している。今日(日曜)から火曜にかけて25度から30度の最高気温が見込まれ、なんと32度まで上昇する可能性もあるそうだ。ニュースでは「子どもやペット、家畜を暑さから守ろう」「日射病対策を万全にしよう」と盛んに呼びかけている。

ダブリン城にある公園でくつろぐ人たち。男性の短パン(英語ではショーツ shorts)率高し。

向こう数日のダブリンの天気予報。水曜以降は 15度から 20度の日中の最高気温に戻る。これがこの時期の平均的な気温。

梅雨が明け、多くの地域で普通に毎日30度を超えている日本から見たら、そのぐらいで何を大騒ぎしているのか、と映るだろう。しかしこの国では、史上最高気温は1887年に記録された33.3度でしかない。最近では2006年の32.3度が最高だ。去年の今ごろも極めて暑く、北アイルランドで31.3度を記録。このように、30度を超えるのは非常に珍しいんです。

私はアイルランドに移る前の3年間は大阪で働いていたのだが、当地の人たちは「とても」「すごく」と言うところを「めちゃくちゃ」「めっちゃ」とよく言っていた。私は「ほんま」や「あかん」といった大阪弁は使えるようにならなかったが、この「めちゃくちゃ」は大阪の同期や友人の話し言葉からうつって私も自然に出てくるようになった。

最近、日本人によるポッドキャストを毎日聴いていて、「めちゃくちゃ楽しい」「めっちゃ困った」など、普通の程度を超えている様子を表す副詞的な用法でこの言葉が多用されていることに気づいた。確かに、音の響きがいかにも強調している感じだし面白味があるので、口語で一般的に使われるようになったのだろう。

大人が乱用するとあまり品がよくは聞こえないので気をつけたいが、この20年日本の夏を体験しておらず、アイルランドの冷夏に慣れきっている私には、30度はめちゃくちゃ暑い!と強調したくなる。何を着たらいいのか迷うし、できれば外に出たくないなと思ってしまう。日本から見たらぜいたくですね。