うちの近くには電車が走っていないので、バスがダブリン市内に出る唯一の公共交通機関だ。職場までは5キロちょっと。健康のために歩こうと意気込んだ時期もあったが、数週間で挫折し、今は素直に毎日バスに乗ることにしている。

勤め先まで片道約30分の道のりは、音楽を聞いてリラックスしたりして、オンとオフの切り替えにちょうどいい。東京や大阪で働いていたときは電車通勤で、大阪への通勤中に夙川(しゅくがわ)の桜並木を車窓から眺めて楽しんだのが懐かしい。

バスは道端から気軽に乗り降りできるところが好きだ。今のダブリン生活では、わが家からバス停まで徒歩5分、職場から最寄りのバス停までも徒歩5分なので恵まれていると思う。

黄色いロゴが目印のダブリンバスの停留所。バスの行き先、運行状況を表示する電光掲示板がある停留所はまだ少ない(この写真では掲示板の文字がうまく映っていない)。

ダブリンバス Dublin Bus は、ダブリン市内とダブリン近郊で約100の路線を運行している。路線の番号はひと桁から三桁まで。今の家に越したときに、友人や同僚から「何番のバスで通っているの」と聞かれ、「150番」と答えるのに「ワン・ハンドレッド・アンド・フィフティー One hundred and fifty」と言っていたら、「ワン・フィフティー One fifty」と訂正された。

バスの番号が三桁の場合、普通に三桁の数字を読むのと違って、一の位と十の位は二桁いっしょに読み、百の位は分けて読むことがわかった。例えばこんな感じ。

  • 9番 nine ナイン
  • 27番 twenty seven トゥエンティーセブン
  • 103番 one oh three ワン・オー・スリー(十の位がゼロときはオー oh と読む)
  • 122番 one twenty-two ワン・トゥエンティートゥー
  • 140番 one forty ワン・フォーティ(ダブリン北部にあるイケア IKEA に行く路線)

ところが、この規則に当てはまらない読み方の番号もある。

  • 123番 one two three ワン・トゥ・スリー
  • 747番 seven four seven セブン・フォー・セブン
  • 757番 seven five seven セブン・ファイブ・セブン

市内とその周辺の路線バスは100番台までだが、それからずっと飛んで、747番と757番になる。この700番台の2つの路線はダブリン空港と市内を結ぶシャトルバスだ。ボーイング社の大型ジェット旅客機シリーズ、ボーイング Boeing 747と757にちなんで路線番号を決めたのではないかと思われる。ボーイング747はセブン・フォー・セブンと読むため、バスの番号もセブン・フォーティーセブンではなくセブン・フォー・セブンと読むのだろう。(2021年11月追記:ダブリンバスは現在、700番台の空港行きバスを運行していません。)

でも123番がワン・トゥエンティスリーではなくてワン・トゥ・スリーと読むのはどうしてかはわからない。何となく言いやすいからだろうか。

わが家の前庭で満開に咲き誇っているあじさい。

いつの間にか庭にブラックベリーが生(な)っていた! これからはスーパーで冷凍のものを買わなくてもいいかも。